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《学会上映動画》

第46回日本嚥下医学会総会・学術講演会の会場内で上映した60秒動画です。

会期:2023年3月3日(金)~3月4日(土)

《講演動画》

第28回日本摂食嚥下リハビリテーション学会学術大会 スポンサードセミナー(60分)の動画です。

講演日:2022年9月24日(土)

講演タイトル:「高アミロース米粉のゲル化特性と嚥下食への利用」

《動画》米粉でやさしい嚥下食とは

嚥下食と高アミロース米の動画解説(5分間)はこちらです。私たちのコンソーシアムの紹介になっています。

米粉嚥下食を臨床場面に提供するために進めている研究の紹介動画(6分間)はこちらです。

コンソーシアムによる社会実装「製品完成編」(5分間)はこちらです。

《解説》米粉でやさしい嚥下食とは

高アミロース米とは

高アミロース米の主な栽培地

一般的な「米」と比較してアミロース含有率が高く、相対的にアミロペクチン含有率が低い米品種の総称。栽培適地は北海道、本州、四国、九州に及び、各地の気候や土壌に適した品種を用いて栽培されています。

高アミロース米のゲル化と嚥下食応用研究

高アミロース米の米粉には、加水⇒加熱⇒冷却の調理プロセスを経てゲル化する特性があります。このゲルには適度な柔らかさがあり、時間と温度の経過による物性変化や付着性・粘度・離水などが少ない為、簡便な工程で安定性の高い米粉ゼリーの調理が可能な食材であると考えられます。
農研機構の芦田かなえ氏は、2015年3月より、この特性を利用した嚥下調整食への応用研究を開始しており、この度2020年5月に、多職種多機関(全7機関 ※令和3年度より全8機関)による共同研究課題「米粉を使用した嚥下障害者のための嚥下食の開発」として「イノベーション創出強化研究推進事業」に採択され、同年7月に研究コンソーシアムを結成しました。

「米」のデンプン構造

コンソーシアムにおける研究課題

使用する米粉のゲル物性は、品種の配合や製粉レベルにより影響されます。嚥下調整食として最適なゲル物性を確保できる品種の配合、製粉レベルの解明も重点課題のひとつです。
その他、本研究コンソーシアムを主とする医療機関や介護施設、地域の会食イベントの場などを利用した、軽度嚥下障害者を含む臨床評価や試食会、介護者のいる一般家庭での試用モニタリング等から得る客観的評価の構築の他、本研究の意義を見極めるべく文献調査やアンケート調査の実施、調理から喫食へ至る各プロセス上の局面を想定した実験等も併せて一定の基準を確保し、より安全性の高い米粉ゼリーの実用化を図ります。

高アミロース米による米粉ゼリー嚥下食の調理

本研究における高アミロース米の米粉は、アミロースの直鎖構造が崩れやすく水溶しやすい特質を利点として、水を加えて攪拌し加熱する工程においても均質な懸濁液が作りやすく、より安定して美味しい米粉ゼリー嚥下食の調理が可能となります。
また米粉ゼリーの調理性に適する食材料を加えた調理も簡便にできて、多種多様な味わいを楽しめます。

時代に求められる嚥下調整食として

本研究がめざすのは、米粉を100%含有して主食となる嚥下調整食です。
近年、嚥下調整用の粥調理の主流は、米の長時間炊飯による分粥、およびこれに酵素類を添加する等して攪拌したミキサー粥、あるいは凝固剤や増粘剤等添加されたインスタント粥などが挙げられますが、米粉ゼリー嚥下食は、そのいずれにも属さない新たな調理概念によって、嚥下調整食形態のさらなる拡充と、利用者側にも選択肢の拡大による食品の安定供給、また完全米由来の食品研究開発による国内農業生産の活性化を図ります。
できるだけ簡便で安価に、そして手作りで美味しく安全な米粉ゼリー粥が食べられることは、2025年に我が国が目標とする地域包括ケア社会においても、自立した食事をめざす支援の場に、また病院や施設での食事からご家庭での食事への移行など、さまざまな場面に適した役割を担うと考えられます。